MANDALA CHART × OHTANI & KIKUCHI

大谷翔平に学ぶ
経営者の二刀流戦略
家庭×事業を統合する

花巻東高校時代、大谷翔平と菊池雄星の二人が書いたマンダラチャート。その比較から見えてくる「超一流の目標設定」と、経営者が人生と仕事を一枚に統合するためのヒント。

Introduction

「家庭と仕事の二刀流」という時代の要請

2025年4月、大谷翔平選手に第一子となる女児が誕生した。記者から「これからは家庭と仕事の二刀流ですね」と声を掛けられた大谷選手は、人懐こい笑顔で大きくうなずいたという。

VUCA時代、中小企業の経営者も同じ二刀流に挑まざるを得ない。売上・資金繰り・人材確保といった経営課題と、家族・健康・自己成長という個人課題は、本来切り離せない。しかし多忙な日常では視野が狭まり、どうしても短期的な対応に終始しがちだ。

マンダラチャートは、この「人生計画×経営計画」を一枚に統合するための思考ツールである。大谷翔平選手の計画力と実行力を例に、その可能性を探っていきたい。

Real Case — Hanamaki Higashi High School

二人が書いたマンダラチャート

花巻東高校・佐々木洋監督のもとで導入されたマンダラチャート。同じ高校で同じ手法を使った二人の球児が、それぞれどんな目標を書いたか——その違いに、「超一流の基準設定」の核心がある。

大谷 翔平
ドラフト1位・8球団指名
大谷翔平のマンダラチャート(目標達成シート)
2010年12月(高校1年冬)作成。以後3年間で計16枚書き換え。
中心目標:「ドラフト1位・8球団から指名される」
菊池 雄星
高卒プロ → MLBドジャーズ
菊池雄星のマンダラチャート(目標達成シート)
花巻東高校時代作成。中心目標:「高卒でドジャース入団」
「雄星ノート」と連動した内省・分析型の活用で知られる
Benchmarking

ベンチマークから「超越」へ

大谷選手が傑出している理由のひとつは、「先行者を基準にしながら、その基準を非連続に超えた」点にある。菊池選手は大谷の3年先輩。菊池がドラフトで6球団から指名を受けた実績を踏まえ、大谷は「ドラフト1位・8球団」という目標を設定した。

これは単なる模倣ではない。マンダラ思考の「継続改革の原則」——既存の業界基準を新たな野心の触媒とし、目標を飛躍的に高める思考法だ。大谷選手はWBC決勝前にこう言っている。「憧れるのをやめましょう」

比較項目 菊池雄星(先行者) 大谷翔平(超越)
中心目標 高卒でドジャース入団 ドラ1・8球団指名
球速目標 MAX 155 km/h スピード 160 km/h
表現スタイル 説明的な表現が多い 本質を突く簡潔な表現
活用方法 雄星ノートと連動した内省型 3年間で16枚書き換えた動的運用

経営者も同様に、競合他社の基準を「追いつく目標」ではなく、「次の基準を設定するための触媒」として活用することで、フォロワーの立ち位置から脱却できる。

Backcasting

18歳が「引退」まで描いた構想力

大谷選手が18歳の時に作成した人生設計シートは、マンダラ思考の「あるべき姿の原則」——未来のゴールから逆算して現在を設計するバックキャスティング思考——の実践例として極めて興味深い。

注目すべきは、38歳での成績不振・引退を考え始める場面、39歳での引退決意、40歳での引退試合まで、栄光と挫折の両方を18歳の段階で書き込んでいたことだ。さらに引退後の社会貢献(41歳日本帰国、日本にアメリカのシステムを導入)まで見据えており、「人生全体の設計図」として機能している。

経営者への示唆
マンダラチャートは「一度書いたら終わり」ではない
大谷選手が高校3年間で16枚書き換えたように、マンダラチャートは環境の変化に応じて動的に更新するものだ。事業だけでなく健康・家庭・社会的役割まで含めた多角的視点で定期的にブラッシュアップすることで、長期的な成功と持続可能な成長を両立できる。

「計画なくして、豊かな人生なし」
「人生計画のない人生は、航路図のない航海と同じ」
「計画なくして経営なし」

— 松村寧雄(マンダラチャート開発創業者)

マンダラチャートは、創業者・松村寧雄が45年前に体系化して以来、多くの経営者・スポーツコーチ・教育関係者に浸透し、ついには大谷翔平選手へと繋がった実績ある手法だ。

自社のマンダラチャートを描き、そして——マウンドとバッターボックスの両方に立って、家族と経営の二刀流を体現してほしい。

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全文は商工中金の刊行物で読めます

本記事の全文(約1万字)は、商工中金が発行する刊行物に掲載されています。大谷選手の推定マンダラチャート分析や経営者向けの実践手法など、より詳しい内容を以下よりお取り寄せください。

掲載誌 商工中金 刊行物(中小企業経営者向け)
記事タイトル 大谷翔平に学ぶ経営者の二刀流戦略
家庭×事業を統合するマンダラチャート
著者 松山将三郎(認定コーチ109号)
監修:松村剛志(マンダラチャート協会 代表理事)

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